種別・分類 | とる・つくる・運ぶ(生産・運搬用具) |
アイヌ語名 | ヤラニヤトゥシ(ヤラス) yar-ni-at-us-i(yar-su) |
和名 | 樹皮の手桶(樹皮製鍋) |
サイズ(mm) | 幅460 深200 高445 |
材料・材質 | 桑。1975年頃・二風谷・貝沢守幸所有か。 |
製作者 | 萱野茂 |
収集(製作)時期 | 1972/昭和47年頃 |
収集(製作)地域 | 二風谷 |
説明1(使用場所・方法) | ヤラス(樹皮の鍋)は名前だけを知っていて、使い方は知らなかったが、カナダに行った時、熱した石を中に入れて煮るのを見て使い方がわかった。二風谷で焼けた石が出土しているが、そのように使ったものであろう。▼「昔、アイヌの家はたいてい小沢か湧き水の近くに建てられていました。それで家まで水を運ぶのに、このヤラニヤトゥシが使われました。(文献1-P132)」▼ |
説明2(製作方法) | 「サクラ、ブドウヅル、シナノキの樹皮(文献2-P103)」▼「初夏、六月十八日前後に桜の木の皮をはいできて、六十センチ四方にま四角に切ります。対角線にすじを引いて印をつけてその線に合わせて四すみをつまみ、つまんでできた三角形を外側に折りたたんで四角い桝の形をつくります。折り曲げる部分に亀裂を入れないように、火であぶりながらじわじわと曲げていきます。次に口のまわりにもみ錐で穴を開けておき、直径二センチくらいのつるをぐるりと巻きつけて細めのしな縄を巻いてしばりつけます。そしてそのふちに、手桶の大きさに合うような曲がった自然木を切ってきて取りつけて、持ち手にします。(文献1-P132)」▼「桜の木の皮は、外側にはぽつぽつと小さい穴が開いていますが、内皮はまっ白く繊維がつまっているので、折りまげるときに亀裂を入れないように注意さえすれば、水が漏るようなことはまったくありません。いずれにしても皮に傷つけないようにして作らなくてはなりません。大きさは作る人によってまちまちですが、手桶のような大きな物を作るときは、皮をはぐ時季が大切であり、また皮をはいできたその日のうちに作らないと、皮が堅くなり曲げることができなくなります。(文献1-P132)」▼ |
博物館資料No. | NAH-M-19910513 |
収蔵場所 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
文化財指定 | 国指定重要有形民俗文化財 |