魚とりかぎ(流し鈎)

種別・分類 とる・つくる・運ぶ(生産・運搬用具)
アイヌ語名
ap
和名 魚とりかぎ(流し鈎)
サイズ(mm) 長3670  鈎・長300
材料・材質 突き漁/木製柄/鉄製鈎/鮭漁
製作者 不明
収集(製作)時期 昭和35年
収集(製作)地域 二風谷
説明1(使用場所・方法) 「このアプはふつう、流しかぎといわれているもので、やはり産卵のため川にのぼってくる鮭をとるのに使われましたが、水の中がよく見えないところや暗いときでもとれるように、特別の工夫がしてあります。だから上流よりも人里に近い川でおもに使われました。鮭がのぼってくる通り道にかぎを上向きにして、川の流れにそって流します。かぎの内側には棒から一センチほど離して手元まで糸が張ってあり、それに魚の腹びれが触れると手応えが伝わります。そのとき柄をぐっと引くと、かぎに魚がひっかかってくるのです。魚の群れの先頭にくるのは雌なのでそれはとらず、後からくる雄魚をとるようにします。それは鮭の習性として雌魚のいるところに雄魚が寄ってくるので、雌魚はとらずにできるだけ後まで残しておき、同じコースをたどって寄ってくる雄魚だけを先にとるわけです。(文献1-P176)」
説明2(製作方法) 部品が揃っている。(生田目)▼「鉄製のかぎの部分に、やちだもの木を火にあぶって柔らかくしたものをぴったりと当てがって、紐できっちりしばってとめ、その後方に長い柄をつけます。この柄は、しうりという木を割って作ります。しうりの木はまっすぐに割れて、削りやすくて、長く使っても狂いがこないので、多くはこの木を使いました。この他、待ちかぎと呼ばれる漁具もありました。(文献1-P176)」▼「ヤチダモ、鈎(文献3-P190)」▼
博物館資料No. NAH-M-19910033
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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