臼(脱穀用具)

種別・分類 とる・つくる・運ぶ(生産・運搬用具)
アイヌ語名 ニス
nisu
和名 臼(脱穀用具)
サイズ(mm) 高550 径570 深375
材料・材質 脱穀・精白用/瓢箪型
製作者 不明
収集(製作)時期 1958年
収集(製作)地域 二風谷
説明1(使用場所・方法) よい臼は、内側の傾斜が急で、搗くものが返りやすい(ヤイエポ?という)。▼「ニスには大型と小型とあり、大型のニスは穂のまま入れて脱穀するのに使い、小型のニスは実から殻をとり、精白するのに使いました。(文献1-P208)」▼「したがって脱穀はほとんど毎日の日課でした。あわにしろひえにしろ、そのつど倉から穂をとり出してきて、トゥナ(火棚)の簀の上で三日から一週間ほど乾燥させます。そしてその日搗く分だけを大型のニスに入れイユタニ(杵)で搗いたのです。(文献1-P208)」▼「臼は脱穀や精白に使うだけではありません。アイヌのご馳走の一つにシト(団子)というものがありますが、これもニスとイユタニがなければ作れません。(文献1-P209)」▼「そして、毎日のように臼を使っていた主婦が亡くなると、臼の一部分を欠かしてそのかけらを死体と一緒に埋葬します。それは、神の国で臼の命も復活し、女が道具に不自由しないようにとの願いからでした。ニスは生活の中に深くとけこんでいた道具です。(文献1-P210)」▼
説明2(製作方法) 「なお、臼を作る材料にはランコ(かつら)またはペロ(なら)の木が使われ、このように胴の細くくびれたものが一般的です。内側はすり鉢形に掘ってあり、長い間使用しているうちに内側の中心部の窪みがしだいに深くなっていきます。(文献1-P210)」▼「ナラ(文献3-P130)」
博物館資料No. NAH-M-19910139
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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