種別・分類 | とる・つくる・運ぶ(生産・運搬用具) |
アイヌ語名 | マレプ(マレク) ma-re-p(marek) |
和名 | サケ・マス漁に使う自在もり |
サイズ(mm) | 長703 径24 もり先・幅94×73 縄1650 |
材料・材質 | 突き漁/木製柄/鉄製鈎/鮭鱒漁 |
製作者 | 萱野茂 |
収集(製作)時期 | 1971~1972/昭和46~~47年頃 |
収集(製作)地域 | 二風谷 |
説明1(使用場所・方法) | 「この漁具は夏から秋にかけて産卵のために川をのぼってくるますや、それから一足おくれてのぼりはじめる鮭をとるのに用いられるものです。持ち運びしやすいこともあって、川幅の広いところでの鮭漁だけでなく、上流や奥山の小沢でのます漁にも盛んに使いました。台木とかぎだけをサラニプに入れて運び、魚をとる場所についてから台木にマレプニプと呼ばれる二~三メートルほどの柄を切ってつけ、水に潜らすようにして魚を突くのです。突くときには魚を突きやすいようにもり先を向こうに向けておきますが、突きさした魚を引き上げるときには、そのもり先が回転して手前を向き、かぎの役目に変わります。つまりマレプはもりであると同時にかぎでもあり、この工夫のおかげでいったん突いた魚は確実に引きあげることができるのです。(文献1-P174)」▼ |
説明2(製作方法) | 「マレプは三つの部分に分かれます。根元を中心にして前後に半回転する釣り針形の鉄のもり先と、それを取りつける台木、そして使うときに適当な木を切って台木にしばりつける柄です。台木にはやちだもの木を使います。この木は髄が太くて溝を彫ったりする細工がしやすく、丈夫なのです。太さ三センチくらいのものを六十センチほどの長さに切り、先端から三センチくらい残したところに穴を開け、そこから手元の方へ約八センチの長さに溝を彫っておきます。一方鉄のもり先にはその根元の部分(釣り針でいえば糸を巻きつける部分)の内側に細長い鹿のなめし皮を当て、糸できっちり巻きつけてとめておきます。この皮紐をつけたもり先の背を、先ほどの台木の溝に埋めこむように当て、根元から出ている皮ひもを穴に通して裏に出し、その先に太さ六ミリくらいのハラキカ(しな縄)をつなぎます。これでもり先の取りつけは終わりです。(文献1-P174)」▼「ヤチダモの木、鉄(文献2-P122)」 |
博物館資料No. | NAH-M-19910072 |
収蔵場所 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
文化財指定 | 国指定重要有形民俗文化財 |