魚たたき棒

種別・分類 とる・つくる・運ぶ(生産・運搬用具)
アイヌ語名 イサパキ
i-sapa-kik-ni
和名 魚たたき棒
サイズ(mm) 長426 径33
材料・材質 茅。二風谷。
製作者 萱野茂
収集(製作)時期 1972~1978/昭和47~53年頃
収集(製作)地域 二風谷か
説明1(使用場所・方法) 「これ(イサパキクニ)を腰に差して歩き、簗や網にかかった魚を捕獲するとき、この棒で魚の頭を叩いて陸にほうりあげておきます。(文献1-P183)」▼「柳の木で作ったこのイサパキクニで叩かれた魚だちは喜んでそれを受け、神の国へのおみやげ物として持って行くものだと信じられていたのです。カムイユカラ(神謡)やウウェペケレ(昔ばなし)のなかで、「腐れた木や石などで頭を叩くと、カムイイルシカ(魚神が怒る)して、その川で魚がとれなくなる」という話をいつも聞かされたものです。簡単に作れる道具ですから、漁に行くときは必ず作って持って行ったものです。イサパキクニを作った晩に魚がとれると、その棒は縁起が良いといっていく日も使いますが、その晩魚がとれないとその棒は捨ててしまい、また新たに作ります。(文献1-P184)」
説明2(製作方法) 材質はヤナギ。握る所だけを削り、魚の頭を叩く所は自然の木のままである。魚が神の国へこの棒を、お土産に持って帰るという意味がある。▼「子供のころ、父といっしょに魚とりに行くと、父がイサパキクニ(魚叩き棒)を一本作ってくれます。これは直径四センチくらいのスス(柳)の木を四十センチくらいの長さに切り、握る部分として十~十五センチほど皮を削りとっただけの棒です。(文献1-P183)」▼「ヤナギ(文献2-P122)」
博物館資料No. NAH-M-19910040
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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