種別・分類 | とる・つくる・運ぶ(生産・運搬用具) |
アイヌ語名 | ヤシヤ yas-ya |
和名 | すくい網(漁労具) |
サイズ(mm) | 網・幅1300 長2700 棒・2230 2220 |
材料・材質 | 網漁/蔓皮製/鮭漁 |
製作者 | 平村重男 |
収集(製作)時期 | 1975/昭和50年頃 |
収集(製作)地域 | 二風谷 |
説明1(使用場所・方法) | 鮭の初漁は9月3日。萱野茂は実際に使用してはいない。▼「ヤシヤは川漁に用いられたすくい網で、秋になって産卵のためにのぼってくる鮭を、このヤシヤを使って捕獲するのです。(文献1-P182)」▼「この網で魚をとるには、丸木舟を二艘並べ、それぞれの舟に綱持ち一人と舟をあやつるこぎ手一人が乗り組みます。舟と舟のあいだを十二尺(約三・六メートル)くらいに保って流しながら、柄を斜めに水中に突っこんで網をひろげ、川下へ向けて流します。月夜の晩など、舟を八の字に開き川いっぱいにこぎ下ると、川べりの鮭も舟影を見て川のまん中へ逃げます。するとそこには網があるといった具合に、鮭をうまく網の方に誘導しながらとることができるのです。鮭が網にかかると「プニ(起こせ)」と声がかかり、こぎ手は舟を二股びったりとくっつけるようにして、流されないようにトゥリ(棹)で止めます。網持ちは網に結びつけてある縄をしごいて網の口をびったりふさぎ、その中へ鮭を閉じこめて舟の中へすくいあげ、イサパキクニで頭を叩きます。(文献1-P183)」▼ |
説明2(製作方法) | 「網の大きさは、長さが九尺(約二・七メートル)、上下の幅が四尺五寸(約一・三五メートル)くらいで、網目の大きさは四寸(約十二センチ)です。アパリ(網針)を使って木綿の糸を編んだものですが、古くはつるうめもどきの皮から作った糸で編んだそうです。網の上のふち(あば)と下のふち(いわ)の両方に縄を通し、両側には長さ九尺(約二・七メートル)、太さ一寸(約三センチ)くらいの棒で一本ずつ柄をつけます。網の下側のすみには棒の一端を直接結びつけ、上側の縄は網の高さの倍、つまり柄の長さだけのばして棒の反対側のはしに結びつけます。この方のはしを手元にして使います。この柄のつけ方がこの網の特徴ともいえるもので、鮭が網に入ったとき、縄とともに柄を握って柄の下端のほうへぐっとしごくと網はひとりでに二つ折りになり、ちょうどハンモックの中に鮭をすくいあげるようなかたちになるわけです。この網の名のとおり、確実にすくえるわけです。(文献1-P182)」▼「ツルウメモドキ、棒、シナの皮糸(文献3-P190)」 |
博物館資料No. | NAH-M-19910073 |
収蔵場所 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
文化財指定 | 国指定重要有形民俗文化財 |