種別・分類 | 着る・装う(衣服・装身具等) |
アイヌ語名 | テシマ tesma |
和名 | 軟雪用かんじき |
サイズ(mm) | 長481 幅200 |
材料・材質 | 履物/雪用 |
製作者 | 未確認 |
収集(製作)時期 | 1975/昭和50年頃 |
収集(製作)地域 | |
説明1(使用場所・方法) | シサムシケ、和人式の雪輪。▼「テシマはトゥレプニ(桑)またはこくわづるで作った大きな楕円形のはきもので、ユクケリ(鹿皮靴)をはいた上にこれをはきます。すると軟らかい雪の上を歩いても足が深く雪の中にもぐるのを防ぐので、厳冬期の雪の軟らかい季節に歩きまわるのにたいへん都合のよいはきものでした。ですからこれも冬期の山行きには欠かせない道具です。「テシ=滑る、マ=泳ぐ」ですから、アイヌはこれをはいて雪の上を滑りながら泳ぐものと考えていたようです。(文献1-P73)」▼「冬、他の家を訪問したときに「ごめんください」というかわりに、このテシマをたたきあわせてぱしっぱしっと音をたてることがあります。このことをシフムヌヤラといいます。みずから音を聞かせる、ということです。(文献1-P74)」▼ |
説明2(製作方法) | 材料はクワの木。▼「作り方は、直径四センチくらいのトゥレプニ(桑)の木を切って、七十センチぐらいの長さのものと八十センチぐらいのものを一本ずつ作ります。それをいろりの中に埋めこんで、その上に熱い木灰をかけて柔らかくします。そして、まん中の部分を曲げ、楕円形を半分にした形のものを二個作ります。短い方をつま先にしますが、つま先の方を少し上へ反らせるため、曲げた部分に約十五センチくらいたてにまっ二つに割れ目を入れ、そこに十五センチくらいの長さの棒をはさんで突っぱりにします。そして、曲げたところが元に戻らないように縄でしっかりしばって、一週間くらい干しておきます。かかとの部分は、曲げたところが元に戻らないようにしばり止めただけで干します。こうしてすっかり乾燥すると、曲げたままの形に固定しますから、それぞれたてに割って二つに分け、つま先側とかかと側を組み合わせます。つま先の方を外側、かかとの方を内側にして、しな縄またはトラットゥシという鹿皮を裂いて作った紐できっちりしばります。そして、その中ほどに二本の縄を左右に二回渡して固定し、そこへ足をのせ足の甲のところを一か所しばりつけるだけで簡単にはけるようにしてあります。かかとは固定しないので足首が自由に動かせて、軟らかい雪の上を歩くことができます。(文献1-P73)」▼ |
博物館資料No. | NAH-M-19910641 |
収蔵場所 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
文化財指定 | 国指定重要有形民俗文化財 |