種別・分類 | 祈る・祝う(祭祀・儀礼用具) |
アイヌ語名 | ホイヌサパ hoynu-sapa |
和名 | テンの頭の神 |
サイズ(mm) | 長260 |
材料・材質 | 鞘・柄(くるみ・桜樹皮)・刃・目釘なし。1972年頃・二風谷・貝沢福次作。 |
製作者 | 貝沢前太郎か萱野茂か貝沢清太郎か |
収集(製作)時期 | 未確認 |
収集(製作)地域 | 二風谷 |
説明1(使用場所・方法) | 「これらのことから考えあわせてみると、その昔、雨を降らせたり嵐を巻きおこす神とてんの神とは敵同士であったのか、あるいは逆に仲が良かったか、いずれかの困果関係があったものと考えられます。つまり、昔、てんの神と水の神あるいは雨の神に関して、たとえば「お互いに敵同士であるので、てんの頭を出してお祈りをすると水の神が怒って雨を降らした」というように伝承されていたのが、いつの間にかその困果関係を証明する伝承そのものが忘れられ、たんにてんの頭を使って雨乞いをするという形式だけが受けつがれてきたのではないかと考えるのです。(文献1-P161)」▼「このホイヌサパは、貝沢前太郎さんが昔、石狩州の上流でとったてんの頭骨を雨乞いの神として魂を入れたものです。(文献1-P280)」▼ |
説明2(製作方法) | テンの歯は奥歯はすごい。テンの毛はどちらでも撫でた方へ流れる。足の裏にも毛が生えている。音を立てずに獲物に近寄る。▼「ヤナギ、貂の頭骨(文献2-P158)」▼「てんの頭の皮をはいで、肉をきれいに削りとったら、脳髄を取りだして、そこにチメスイナウ(房になったイナウ)で麹を包んで、新しい脳髄として入れます。眼球、舌なども取り去って、新たにチメスイナウで眼球や舌を作ってつけます。目と鼻の間をチノイェイナウ(ねしったイナウ)でしばり、それにチメスイナウで頭全体をおおうようにはさんでうしろのほうになでるようにして押さえ、その上からもう一回チノイェイナウで房をしばるように押さえます。これで新しい毛皮もできたことになります。このようにして魂を入れたら、火の神様に新しい神を造ったことを、報告し、「火の神様、どうぞこの神に雨乞いの神としての力をお与えください」とお願いしておくものなのです。(文献1-P280)」▼ |
博物館資料No. | NAH-M-19910942 |
収蔵場所 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
文化財指定 | 国指定重要有形民俗文化財 |