逆さ削りのイナウ

種別・分類 祈る・祝う(祭祀・儀礼用具)
アイヌ語名 シロマイナウ・チェホカケ
sir-oma-inaw・c=e-horka-ke-p
和名 逆さ削りのイナウ
サイズ(mm) 長700/470
材料・材質 儀式で火の神に捧げる
製作者 貝沢貢男
収集(製作)時期 昭和52年(文献3-P193)」
収集(製作)地域 二風谷
説明1(使用場所・方法) 「このイナウは熊送りや新築祝いなどのまつりのときに一本作ります。そしてチェホロカケプイナウ(逆さ削りのイナウ)一本とこのシロマイナウをいろり端に立てて火の神に捧げ、まつりが終わった後でチェホロカケプだけを火にくべて燃やし、このシロマイナウは家の東の隅の家の守護神を安置してある上の方に刺し、家を解すときまでそのままにしておきます。したがって、ポロサケ(大きい酒=大宴会)のたびにその数は増していくので、その家で何回大きなまつりが行なわれたかがすぐに分かるようになっていました。おまつりのときにはいろいろな種類のイナウがたくさん作られますが、それらのイナウは火にくべて燃したり、外の祭壇に飾られたまま風雨にさらされ、朽ちはててしまうのですが、このシロマイナウだけはいつまでもその姿を変えずに残るのです。文献1-P286)」▼
説明2(製作方法) 「ヤナギ(文献3-P193)」▼「シロマイナウというのは、五~七本房を削ってはそれをより合わせ、十五~二十本のより房を削りつけ、下の方をとがらせたイナウです。(文献1-P286)」▼「シロマイナウを作るには、いちばんいいような太めのイナウネニ(イナウを作る材料)を選び、木の根元の方を向こうに向け、そのまっ白な木肌にイナウケマキリの刃を斜めに当ててすーっと手前の方へ引くと、三十~四十センチくらいの長さの細いらせん状の木の房ができます。木を少しずつ回しながら五~七本削っては指先でつまみ、先の方を八センチくらい残してぐるぐると撚りをかけます。撚りがもどらないように膝で押さえては、次々と削りながら撚ってゆきます。この撚った房が木の周囲にまんべんなくでき、十五~二十本くらいになったら根元をとがらせてできあがりです。(文献1-P287)」▼
博物館資料No. NAH-M-19910821
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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