種別・分類 | 祈る・祝う(祭祀・儀礼用具) |
アイヌ語名 | ノヤイモシ noya-imos |
和名 | よもぎで作った守護神 |
サイズ(mm) | 縦550 横350 |
材料・材質 | 病気など村の魔除け |
製作者 | 萱野茂 |
収集(製作)時期 | 1972/昭和47年頃 |
収集(製作)地域 | 二風谷 |
説明1(使用場所・方法) | 「このよもぎ神は、天然痘などの伝染病が流行したときに緊急に造られるものです。チセコロカムイのところでも触れましたが、アイヌはこのアイヌモシリ(人間の国土)でいちばん最初に生えた植物はよもぎであり、どんな魔物でもこのよもぎで作った刀や槍で切られたり突かれたりすると二度と蘇生することができないものだと信じていました。(文献1-P264)」▼ |
説明2(製作方法) | 「ヨモギの茎、消し炭、イナウキケ(文献2-P158)」▼「造り方は、約五十五センチの長さに切ったよもぎを十四、五本束ねて、その中ほどをイテセカ(しなの木の皮をよって作った細い紐)でしばり、胴体の部分を造ります。次に約三十三センチくらいの長さに切ったよもぎを十本くらい束ねて、その両端に小さな消し炭を入れて、その上をイテセカでしばります。これを最初に造った胴体の上から十二~十三センチのところに後側から十文字に当ててしばりつけ、両手にします。手をつけてから胴体の下の方を二つに分け、おのおのに小さな消し炭を入れて足のつけ根の部分と足首に当たる部分の二か所をイテセカでしばります。そして、手のつけ根のところをさらにイナウキケでしばり、それより少しさがったところにカムイサンペ(御神体の心臓=魂)、つまり消し炭をイナウキケで包んだものを当てて、イナウキケでしばります。左の腰にイナウのつばをつけたよもぎの刀を差し、左手にはよもぎで作った槍を持たせ、両手にイナウキケを下げます。手に入れた消し炭のことをテクサンペ(手の心臓)といい、足に入れた消し炭のことをケマサンペ(足の心臓)といいますが、アイヌが造る神々のうちでもこのように両手両足にまでも心臓を入れる神は、このノヤイモシだけてあります。このことから考えあわせても、よもぎで造った強い神として、いかにこの神に期待をかけていたかをうかがい知ることができます。このようにして造られた神は、火の神に対面させて報告することによってはじめて神としての力が与えられます。火の神に対面させて神としての力を与えることをラマッコレ(魂を与える)といいます。(文献1-P273)」▼「ノヤイモシの別の名をチシナプカムイ(我ら束ねた神)といい、両手、両足に入れる心臓をいろりの消し炭ではなく、小さな石を用いる場合もあったということです。(文献1-P273)」▼ |
博物館資料No. | NAH-M-19910927 |
収蔵場所 | 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 |
文化財指定 | 国指定重要有形民俗文化財 |