ござ

種別・分類 住まう(住居・家具等)
アイヌ語名 トマ
toma
和名 ござ
サイズ(mm) 長3590 幅927
材料・材質 がま草製/敷物
製作者 不明
収集(製作)時期 不明
収集(製作)地域 二風谷
説明1(使用場所・方法) 「トマというのはシキナ(がま草)で編んだござです。(文献1-P110)」▼「トマの用途はずいぶん多く、敷物として用いられるばかりでなく、壁に張りめぐらすこともあり、庭に簀を広げてその上に敷き、穀物などを干すのにも使います。古い時代にはイタオマチプ(板付け舟)の帆として用いられたりもしました。トマは、アイヌが編んだ一枚のシート状の物としては一番大きなものであり、広いシートが必要なときにはなんにでも使ったわけです。(文献1-P111)」▼
説明2(製作方法) 「トマはイテセニ(ござ編み機)で編みます。編み方はイテセニのところで説明しましたが、両端から半分ずつ二つのピッ(錘り石)に巻きつけたイテセカ(編み糸)を必要な数だけイテセニの刻み目に振りわけてかけ、そこに秋にとり入れて干してあったシキナを当てがって、ピッを前後に振りわけながら編んでいくのです。一枚のトマを編みあげるにはかなりの糸を使います。たとえば、幅三尺(九十センチ)、長さ十尺(約三メートル)のトマを編むとすれぱ、片側に五割増しの十五尺(約四・五メートル)必要ですから、一筋にその倍の三十尺(九メートル)使います。イテセカの刻み目は一寸あまり(三~四センチ)の間隔でつけてあります。三尺幅なら糸の数は三十本、つまり二百七十メートルもいることになります。シキナというのは水に漬かっている部分は白く、外に出ている部分は緑色をしているので、そのまま使うとトマの半分は白くもう半分は緑色といったようにちぐはぐなものになるので、一本のシキナを半分に裂き、白い部分と緑色の部分をたがい違いになるように重ね、表に白い部分が出て緑色の部分が裏側になるようにトマのまん中のあたりで重ねてあります。上手な人が編んだものは、その重なりの部分がどこであるかがわからないくらいです。厚手のトマを編むときは、シキナを半分に裂かずに一段に二本ずつ編みこんでいきます。トマのふちの編み方は、イテセカのところでものべたように一段二本ずつのシキナの白い方のはしを一段ごしにひねりながら折りかえして編みこんでいきます。そのとき折りこんだものが裏側へ出ないように注意しながら編んでいくと、ふちがびっちり押さえられきれいに仕上がります。全部の長さを編みあげたら、両はしからイテセカをより合わせていき、トマのまん中で一本の縄にないます。この縄はトマを巻いてしばっておくためのもので、この縄のある方がトマの頭になります。そしてシキナの緑色の方だけが残った両側の編みはじを切りそろえると、きれいなトマが一枚できあがるのです。一枚編みあげるにもかなりの日数のかかるものです。良いシキナであれぱ六尺(約一・八メートル)幅の大きなトマを編むことができますが、普通四尺(一・二メートル)~四・五尺(一・四メートル)幅の三間(約六メートル)ものが多く編まれました。(文献1-P110.111)」▼
博物館資料No. NAH-M-19910568
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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