火棚

種別・分類 住まう(住居・家具等)
アイヌ語名 トゥナ
tuna
和名 火棚
サイズ(mm) 高930 長2020 幅975
材料・材質 木製
製作者 萱野茂
収集(製作)時期 1967/昭和42年
収集(製作)地域 旭川か
説明1(使用場所・方法) 「いろりの上にはトゥナがあります。これはいろりの上につり下げられた火棚で、この火棚の役目は、暖をとったり煮炊きをするためにたいた火の粉が上へ舞いあがり、屋根裏に火がついて火事になるのを防ぐことです。(文献1-P95)」▼「このトゥナは、いろりを中心とした道具のなかでも、もっとも重要な役割りをはたすものです。穀倉にしまってある穂のままのあわやひえを、搗いて殻をとるために乾燥させるのもトゥナの上ですし、道具を作る材料を乾燥するのも、干し肉を作るのもトゥナの上です。(文献1-P96)」▼「このように、道具であるトゥナに対して特別にイナウをあげたり肉をあげたりするのは、それが重い鍋をかける炉かぎをささえるものであり、火をさえぎり、また火を利用して生活を安全に保つための大切な道具だからで、安全祈願がこめられていたものと考えられます。(文献1-P97)」▼
説明2(製作方法) 「アオダモ、カエデ、ホウノキ(文献2-P107)」▼「家の梁に五センチくらいの太さの細長い丸太を、二尺五寸(七十五センチ)ほどの間を開けて二本わたします。この二本の丸太のことをパラペシニ(上たどる木)といい、しなの皮で作った縄で、梁にしっかりしばりつけます。次に自然の木の枝をいかして三尺(九十センチ)ほどの長さのかぎを四本作り、パラペシニからつり下げます。かぎの方を下にし、それが内側に向きあうようにして、パラペシニの外側から当て、当たるところを切り欠いておいてしな縄でしっかり止めつけます。こうして固定された四本のかぎの上に丸太を二本渡してしな縄でしばりつけ、その中央にトゥナトゥマム(火棚の体)と呼ぶ十センチくらいの太さの丸太を渡し、下側から当ててしばりつけます。トゥナトゥマムの上座の方を削ってトゥナエトゥ(火棚の鼻)を作ります。二本の丸太の両はしには、直径二センチくらいの細い木をそれぞれ渡してのせ、しな縄でとめて、キという簀をのせます。トゥナトゥマムにはスワッ(炉かぎ)をつり下げ、このスワッには鍋をかけて煮炊きするのです。(文献1-P95)」▼
博物館資料No. NAH-M-19910591
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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