境界棒(規範用具)

種別・分類 その他(その他)
アイヌ語名 クイタ
ku=itak-pe
和名 境界棒(規範用具)
サイズ(mm) 長1384 幅697
材料・材質 イテセニ(とどまつ)、イテセニチキリ(くるみ)。二風谷・萱野茂・萱野れい子作。
製作者 萱野茂
収集(製作)時期 1977/昭和52年か
収集(製作)地域 二風谷
説明1(使用場所・方法) 「これは畑を耕すとき、この場所を私は耕しますという印として用いたものです。ク=私、イタク=話す、ペ=もの、つまり「私ものをいうもの」であり、形も人間が立って両手を広げている姿になぞらえてあります。(文献1-P197)」▼「これが実際に使用されていたのは、明治三十二年の旧土人保護法によって個人個人の土地所有権が確立するまでのことで、それ以後はまったく姿を消してしまいました。なおこのクイタクペは、山でクワリ(仕掛け弓)をしてある場所を示すのに使うこともありました。このほか表示の方法としてクワリをしかけてある場所に笹と笹を紐でしばって、近づいては危険だと通せんぼうしたり、拾った流木に縄を巻きつけたり流木の上に石を並べたり他の流木を置いたりして、誰かが先に発見したものであるという印をすることがあります。このように相手に何かと知らせる役目をするものはすべてクイタクペであるのです。(文献1-P197)」▼
説明2(製作方法) 三本棒の印を刻んでいる。▼「作り方は、直径三センチくらい、長さニメートルたらずの棒の先を平たく薄く削って地面に立て、同じくらいの太さの棒を四十センチくらいの長さに切り、その中央部分にマキリ(小刀)をたてに当て、マキリの柄尻を手のひらで叩いて、棒の両端にひびが入らないように注意しながら割れ目を入れます。この割れ目に立ててある捧をさしこんで、十字架のような形のものを作り、その横棒のすぐ下にそれを立てた人の印を彫りこみます。したがって、このクイタクペを見ると誰が耕した畑であるかがひと目で分かり、他の人々もその場所には手をつけないというふうになっていたものです。(文献1-P197)」▼「ヤナギ(文献2-P125)」▼
博物館資料No. NAH-M-19910094
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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