おしゃぶり(育児)

種別・分類 奏でる・遊ぶ(楽器・芸能用具)
アイヌ語名
tek-ok-pe
和名 おしゃぶり(育児)
サイズ(mm) 長88 最大幅35
材料・材質 増血の薬効/はんのき製
製作者 萱野茂
収集(製作)時期 1971~1977/昭和46~52年頃
収集(製作)地域 二風谷
説明1(使用場所・方法) 「赤ん坊が自分の手をしゃぶるようになると、父親はこのテクコクペ(おしゃぶり)を作って与えます。細い紐で二つを結び、赤ん坊の手首に軽くゆわえておくところから、テク=手、コク=付く、ペ=ものと名づけられたものです。(文献1-P251)」▼
説明2(製作方法) 材質はハンノキ。アイヌ語でケネ。これは一番古く作ったものだが、本当はもう少し内側の握りを広くしたい。▼「ハンの木(文献2-P136)」▼「テクコクペはアイヌ語でケネ(血になる木)と呼ばれるはんの木を削って作ります。ケネというのはケム=血、ネ=なる、がなまったもので、この木の皮を煎じて、出産したあとの産婦に増血剤として飲ませたり、また腹痛を起こしたときには、その煎じたものを飲ませると痛みを止めることができます。アイヌは血になり薬になる木を選んで赤ん坊の玩具を作ったのです。低抗力のない赤ん坊が、薬になる木で作ったおしやぶりをなめたりかじったりすることによって、元気に成長してくれるようにという願いがこめられているのです。直径三~四センチのはんの木を八センチくらいの長さに切り、両端ニセンチくらいは皮をつけたまま残し、まん中は赤ん坊が握りやすいように細く削ります。やわらかな赤ん坊の手にささくれがささったりすることのないように、良く切れる刃物で丹念に削って与えます。(文献1-P251.252)」▼▼▼
博物館資料No. NAH-M-19910751
収蔵場所 平取町立二風谷アイヌ文化博物館
文化財指定 国指定重要有形民俗文化財

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